横山司法書士事務所。債務整理・不動産登記・法人登記・成年後見(任意後見)などでお困りの方、お気軽にご相談下さい。 TEL052-831-8757


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あなたの財産管理のご相談は司法書士に!

こんにちは。愛知県名古屋市天白区の司法書士の横山和史です。

しばらくブログで何回かに分けて事務所の宣伝をさせていただきます。

私の司法書士事務所は財産管理保全に関する業務もしています。
例えば,
①賃貸物件の滞納家賃請求や建物明渡

②死後の争い防止のための遺言書作成のアドバイス

③税理士と共同作業による平成27年1月以降の相続税改正対策としての不動産の生前贈与名義変更登記

④個人事業から法人への設立登記

⑤遺産相続の不動産名義変更登記

あなたの財産の現在の保全や将来について不安や疑問がある方は一度
ご相談してみませんか?

その他にも対応ができる場合があります。お気軽にご相談ください。

まずは,ちょっとでも気になったら電話やメールでご連絡を!

連絡先
司法書士 横山和史
愛知県司法書士会所属 登録番号第1153号
天白区塩釜口1丁目634番地 ちくさ正文館ビル305号
TEL (052)831-8757 ※面談相談は完全予約制
AM9:00からPM6:00まで 電話又はホームページで受付
土日祝日定休・夜間(面談相談対応可能です。)

よろしくお願いいたします。

 

盗品が転売されたらどうなる?

こんにちは。愛知県名古屋市天白区の司法書士横山和史です。


最近,25万円相当のブリキのおもちゃの窃盗事件について報道がされ議論が活発になっていました。


この議論では,防犯カメラで撮影した窃盗犯らしい人物の顔写真を店が一般に公開してもよいのか否かが論点でしたが,私は,この事件をベースに別の論点を考えてみたいと思います。


「ぶりきのおもちゃが窃盗犯から転売された場合にもとの所有者にもどることはあるのか?」という問題です。


ぶりきのおもちゃは法律上,「動産」にあたります。「動産」とは,土地,建物のような動かない財産(不動産)以外のものを差します。


家財道具,文房具,衣類,おもちゃ,食料品など,ほとんどのものは動産にあたります。


本当の所有者ではないのですが,この動産を持っている人を所有者だと誤解し事情を知らずに過失なく取引をして動産を入手した人は,この動産の所有権を持ちます。


これを法律では即時取得(民法第192条)と呼んでいます。動産は,取引が頻繁にあるものですから,買主が売主側の事情について調べるのは酷な場合もあるので,取引の安全を守るためにこのような制度になっています。


ただし,動産の中でも自動車のようなものは登録制度があり,登録した自動車には即時取得が成立しないとされています。一部例外もあります。


ということは,今回のぶりきのおもちゃは,窃盗犯が他の店に売却していますので,買主のお店が事情を知らなければ,即時取得の制度からすれば買主のお店は,ぶりきのおもちゃの所有権を取得しそうです。


しかし,即時取得を一律にすべての人に認めることは抵抗があります。


例えば,買主が,古物商や質屋ならば,盗品が持ち込まれることは当然に予想されることです。


そこで,これらの商人が,ぶりきのおもちゃに対してお金を払って買い取ったとしても1年間は元の所有者から請求があれば無償で返却しなければならないと古物営業法と質屋営業法という法律で規定されています。


今回は,古物のお店でぶりきのおもちゃは止まっているようですので,元のお店に商品は戻りそうです。


では,買主であるお店から,もし,消費者が,ぶりきのおもちゃを買った場合はどうなるのでしょうか?


この場合は,2年間に限り元の所有者は,買い取った消費者に支払った代価を弁償するれば戻してもらうことができます。(民法第194条)


元の所有者は代価を負担しなければならいので酷なようにも思いますが,事情を知らずに買った消費者はもっと気の毒だというのが法律の考え方なのでしょうか?


元の所有者は窃盗犯にもちろん,支払った代価を損害賠償として請求できますが,実際には訴訟費用や窃盗犯の財産状態を考えると非常に困難だといえます。


いずれにせよ窃盗は多くの人が迷惑しますので絶対にやめてほしいですよね。

 

遺産はすべて長男が相続できるのでしょうか?

こんにちは。愛知県名古屋市天白区の司法書士の横山和史です。

わたくしは,今年で独立開業して9年目になります。これまでに。たくさんの方から依頼を受け業務を
遂行してまいりました。

ひところ前は債務整理(破産申立書の作成,過払金返還請求など)の業務が多かったのですが,
最近は,ほとんど依頼がなくなりました。

代わって,相続関連の業務が増えてきました。

相続のご相談で特にご年配のみなさんに勘違いが多いのが,
①財産は長男が全部相続する。
②他家に嫁にでた女子には相続分がない。
③両親の面倒(特に介護)をみた相続人が全部財産を相続できる。
という考え方です。

まず,①の長男が単独相続するというのは昭和22年5月2日までに効力があった旧民法の家制度の考え方の影響だと思われます。

旧民法では,「家」を設け,血族を集中させました。家を統率するリーダーを「戸主」とよび,戸主は,大家族の生活保障をするかわりに,「家」の財産をすべて相続できるようになっていました。

こうした家制度を基本とした相続を「家督相続」といいます。
「家督相続制度」は,「人は平等である」という日本国憲法の精神に反することから,現在では廃止されています。
従いまして,長男だからと言って,相続財産を自動的に全部相続できるわけではありません。

②についても「家」制度の名残です。相続は「家」とは関係なく,血のつながりで発生しますので,「他家」へお嫁にいっても実父と実母の財産を相続する権利はなくなりません。

なお,似た事例で,養子となって他人の子供になった場合にも実の親との親子関係は消えないので相続ができます。(ただし,特別養子制度を除く)注意が必要です。

③「両親の面倒を見た者が財産をすべて相続できる」という規定は現在の民法にはありません。
寄与分といって相続財産の維持管理や亡くなった人への介護などで特別の貢献があった相続人に対して,相続財産を相続人全員の協議又は家庭裁判所の手続きで相続財産の取り分を増やす方法はありますが,遺産を全部相続できるわけではありません。

このように,「相続」は法定相続人が民法に決められているため,他に相続人がいる場合には,その方が,
相続人の欠格に該当する,廃除される,放棄する,他人へ譲渡しない限り,財産を全部相続することは難しいといえます。

特定の相続人(たとえば,長男,介護をした子供)に財産を多く相続させたい場合には遺言書を作成しなければなりません。ただし,遺言書で全部を長男に相続させると指定しても,ほかに相続人がいる場合には遺留分が発生する場合がありますので,遺留分を主張されると全部の財産の相続はできなくなります。

私が,実務相談で,相談者や依頼者のかたからのご意見で,民法を改正したほうが良いと思っているのは上記の③です。

家族は,何らかの個人的ないがみ合いや対立によって音信不通なることがあります。

その後,被相続人と疎遠になり,生活をともにしておらず,何ら介護や相続財産への維持管理などの貢献をしていない相続人にも血縁だけで,相続分が発生するのは,公平の観点から納得ができないという,被相続人の介護をされたご家族の気持ちはよく理解できます。

現行法では,遺言書で相続分を多めに相続させることはできます。
しかし,遺言書を作成せず,認知症や寝たきりになり,自分の財産管理ができない状態になってしまうと公証人立会いの遺言書であっても作成ができませんので,介護をしている方に多く相続させることはできません。


被相続人への介護をした方は,相続人として優先的に財産を相続できるように民法を改正すべきです。

介護は費用的にも肉体的にも精神的にも付き添った家族にとって大きな負担になります。

私は,何ら,被相続人の財産の維持増加に貢献していない相続人が,血のつながりだけを理由に相続できるのは公平に反すると考えます。

これから高齢化が一層進む日本社会のなかで,介護をしなければならない家族がいるご家庭でも安心して将来設計ができる制度に民法を改正すべきだと考えます。

 
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