過払金返還請求訴訟の論点
過払金返還請求事件が,頻繁になり始めてから5年ほどになりますが,貸金業者側もただ,漫然と返金している訳ではなく,様々な論点を掘り起こして,過払金の存在をなくす,あるいは,減額をするという主張をしてきています。なかには脱法的な行為ではないかとみられるものもありました。
先日,平成23年9月30日に最高裁第二小法廷の判決は,そのような貸金業者側の脱法行為を防止するための先例となる画期的な判決です。それは,貸金業者Aと顧客の間で金銭消費貸借の契約を結び,貸付を返済を繰り返していた状態で,ある日,突然,貸金業者の都合で,別の貸金業者Bが紹介され,貸金業者Aに貸金業者Bから借りたお金で同日返済させ,以後はBと顧客は取引を継続させます。多重債務に陥った顧客が,司法書士や弁護士に債務整理を依頼して業者Bに通知をだすと,貸金業者Bは,「貸金業者Aで発生した過払金は当方で支払う義務はない」と突っぱね,当初からの取引で発生した過払い金の返金を拒否し,逆に,債務が残っていると請求してくるという事案が多数ありました。
どうみてもおかしいですよね?顧客はもともと,貸金業者Aと取引をしたいから契約をしたのであって貸し金業者BはAの紹介で取引をすることになったのですから,顧客とすれば,Aの業務をBが全て引き継いだように見えるのは当然だと思います。
最高裁の判決は,そのような脱法的な過払い金逃れを許さず,貸金業者Bに対してAからの取引を引き継ぎ,過払金を返金するように命じたものでした。
全てのケースで当てはまるかはわかりませんが,一定の歯止めにはなったのではないかと思います。
今後もこのような画期的な判決がだされるといいですよね。