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個人債務者の私的整理ガイドラインについて

 東日本大震災により,国や金融機関が中心となって「個人債務者の私的整理ガイドライン」という住宅ローンや事業者ローンについて被災者の方の支援をする基準が決まり運用が開始されています。
 このような被災者を支援する債務整理基準ができたことは,評価できるものの,内容は果たして十分に被災者の方の支援をすることに繋がるのか非常に疑問に思っています。
 というのも,このガイドラインは,ある一定の基準を満たした方のみを対象としているため,使用できるケースがかなり限定されてしまうのではないかと思われます。
 たとえば,ガイドラインの適用申請ができる基準の一つに
 「債務者が事業の再建・継続を図ろうとする事業者の場合は、その事業に事業価値があり、対象債権者の支援により再建の可能性があること。」というのがあります。
 「事業者の事業価値に再建の可能性がある」というのはどのような基準で評価するのでしょうか?地震や津波による影響で工場や事務所,事業所など働く場所や設備を全て失ってしまった方が,再建をするといっても,津波の危険から以前と同じ場所での操業を継続するのは困難な場合もあるでしょうし,事業継続の可能性をどう説明すればよいのか?疑問があります。
 また,過去に期限の利益喪失などがなかったことも要件となっており,震災以前から日本全体が不況感につつまれていたなかで,債務の支払いが困難になりつつも一生懸命に事業をされていた方については除かれてしまうのではとの懸念もあります。
 いずれにせよもう少し踏み込んだ被災者の方への支援が必要だろうと思います。

 

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