代金未払いの商品を差押された場合 Q&A
質問
Aさんは,電気店を経営しています。近所のB会社から事務所で使用するので,パソコンが20台注文がありました。売上総額は約400万円になりました。代金は,商品を引渡し後,翌月一括で支払う契約になっていました。また,パソコンの所有権は,B会社が全額支払いを完了するまでAさんの所有という契約になっています。(所有権留保)Aさんは,B会社に納品を無事に終わり,あとは,代金の支払いを待つだけになりました。
ところが,ある日,C会社が債権者Dより強制執行を受けてしまい,Aさんが売ったパソコン20台もすべて差押されてしまい,2週間後に競売にかけられることになってしまいました。代金はまだ1円も支払ってもらっていません。どうすればよいでしょうか?
回答
債務者の所有している財産のうち,事務所や家のなかにある物を差し押さえることを動産執行といいます。法律上「物」は不動産と動産に分けられます。不動産は,土地や建物のように文字通り,動かないもの,動産は,反対に動くものということになります。
動産執行を裁判所の執行官がするときに,差押た物が,本当に債務者所有物かは調べずに,債務者の住所や管理している場所においてあれば,差押はします。執行官が,その差し押さえた財産が本当に本人のものなのか他人の物なのかその場では判断できませんからね。
そこで,そのような場合に用意されている裁判手続きが「第三者異議訴訟」と「強制執行停止決定申立書」になります。(民事執行法第38条1項,39条)
第三者とは,質問の場合Aさんのことです。AさんはBとCの紛争は関係なくて巻き込まれたわけですから,商品の所有権は留保されていて,代金を支払ってもらっていない以上,差押されたパソコンは自分のものだと主張し,競売も中止してもらう主張を裁判手続きでするわけです。
ただし,第三者の訴訟が,間違っていて債権者に損害を与えてもいけないので,通常は裁判所は損害に代わる担保の提供を求めてきます。通常商品の2から3割くらいの金額を国の機関である供託所に預けます。結構,この担保で提供しなければならないお金が高いんですよね。
それにより,Aさんの主張は通常の裁判と同じように法廷で行われ,裁判所に認められれば,パソコンは,差し押さえから除いてもらうことができます。
このような複雑な訴訟も当事務所では,依頼者ご本人を支援するため裁判所へ提出する書類として作成しています。お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。